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リサーチプロジェクト

後継者問題(仮)

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「Study:大阪関⻄国際芸術祭」では、「NISHINARI YOSHIO」の今後の仮想課題として、後継者 問題に焦点をあて、数年に渡るプログレスなプロジェクトを立ち上げた。

 

近年、活動拠点である大阪市⻄成地域に急速に増えつつある在日外国人。かつて日雇労働者の街 として全国各地から労働者が集まり、その中で繁栄してきた同地域の商店街は、労働者の高齢化、不況による失業など時代の変遷のなかでシャッター街と化していたが、ここ10年ほどで中国系・ベトナム系のカラオケ居酒屋や飲食店等が大量に入居している。また、少子高齢化による労働力不足が深刻化する日本において、技能実習生として来日する外国人も多く、⻄成区の居住者は増加傾向にある。ただ、同じ地域に生活する住⺠にも関わらず、旧住⺠とのつながりはなくその生活実態や背景を知る機会はほとんどない。そのような中で、彼/彼女らとの接点として「ファッション」はひとつの可能性があると考え、「NISHINARI YOSHIO」の服づくりワーク ショップを重ねることで、将来的にはブランドの共同制作者として活動を共にしていくことをめざす。

 

当初より美術家・⻄尾美也と地域の高齢女性との間で起こっていたズレがコンセプトとなっているブランドにおいて、在日外国人との文化や生活習慣の違いが地域の中ではネガティブな印象と して語られがちだが、そのズレこそ重要なポイントであり、活動を通じて地域住⺠との間に起こるズレをきっかけにブランドの新たな展開に着手したい。 2023年度は、地域の女性たちと当初行った⻄尾美也が提案する独自の服づくりワークショップ を、NPO法人日越支援会の協力のもと定期的に実施し、関⻄在住のベトナム人の方たちとコミュニケーションを図った。

 

今回はその一つのワークショップ「いただきmặcす」の様子を記録した 映像と制作した洋服を展示する。また、関連企画として、ワークショップでつくった料理をふるまう1日限りのレストランをオープンする。

 

*ワークショップ「いただ着ます」:好きな「食材」とその食材からイメージする「いらなくなっ た服」を持ち寄り、前半は「料理」、後半は、料理と同じような感覚で「いらなくなった服」を切ったり?混ぜたり?焼いたり?煮たり?して、新しい服をつくるワークショップ。今回はベトナム語の「着る=mặc(マッ)」をタイトルに加えた。

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