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STREET 3.0 「釜ヶ崎芸術大学 会田 誠の部屋構想ーだから、私は愛したいー」開幕初日の鍋企画をレポート

更新日:2023年12月27日


「Study:大阪関西国際芸術祭 Vol.3」の開幕初日12月23日(土)、メイン会場の船場エクセルビルで現代美術家の会田誠氏が壁一面に絵を描く姿が見られました。

同じフロアでは、釜ヶ崎の街を大学に見立てて活動する釜ヶ崎芸術大学による「釜ヶ崎アーツセンターあかんかな構想」が展示されています。会田氏は「もしも釜ヶ崎芸術大学に会田誠の部屋があったとしたら?」という発想から生まれたプログラム「釜ヶ崎芸術大学 会田 誠の部屋構想ーだから、私は愛したいー」の作品を手がけていました。


右には2025年開催予定の大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャク、中央には会田氏の作品《梅干し》、左には折に触れて描かれる会田氏の分身「おにぎり仮面」が。その前では鍋がぐつぐつと煮立ち、良い香りが漂っています。



「では皆さん、食べましょう」

会田氏の発声を受け、少しずつ来場者が鍋を囲みだします。世界的な現代美術家を前に少し緊張気味に鍋を食し始める来場客。

会田氏は鍋を食べつつ、作品について語ってくれました。

「ウクライナの戦争が始まって以来、ウクライナのことをずっと不憫に思っていました。亡くなっていく方がかわいそうで。難しい国際政治の世界はわからないけれど、僕としてはウクライナとパレスチナにエールを送りたいという気持ちで描きました。『大阪関西国際芸術祭』ということなので、国際的なテーマが合っているかなと。それから、中央にある僕の作品《梅干し》は日の丸の構図からきていますので、合わせて3つ旗を並べました」


「大阪・関西万博はネガティブな報道も多いですが、ミャクミャク君に罪はないし、キャラクターとしても良い出来だと思いますので描きました。裏のコンセプトはなく、見た通りの作品です。ひねった変化球は入れていません。釜ヶ崎芸術大学の展示も、とても素直な、ストレートな表現なので、ここは変化球にしない方が自然かなと」

天井も含めて一面に貼られた書の中に、会田氏の作品が溶け込みつつ強い存在感を放っています。


その夜は、会田氏が会場に訪れる客人を迎え入れ、大阪について、カルチャーについて、鍋を囲んでさまざまなトークが繰り広げられました。

「鍋を囲む会とあるけど、まさか鍋を食べるだけではないやろ。トークショーやろと思って来たんですけど、ほんまに鍋の会やった」と笑う来場客も。


会田氏の作品と鍋を囲む会の映像が展示された「釜ヶ崎芸術大学 会田 誠の部屋構想ーだから、私は愛したいー」は、船場エクセルビルで12月28日(木)まで。ぜひ会場でご高覧ください。





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